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水草の肥料についてのまとめです。

以前「アクア肥料を切る!」の記事を書きましたが、その内容が結構間違っていることが分かったので、その訂正と加筆です。一応、大学の農学の教授に聞いてきたので間違ってはいないと思いますw



以下、たらたらと書いていきます。

まず、前回の記事にて、生体の排泄物により、供給されるのは、NとPとKであると書きました。これは、農業用の肥料に鶏糞、牛糞、豚糞があるのですが、その成分はすべてNとPとKを含んでいたため、おそらく魚の糞にも含まれているだろうと推測したからです。しかし、生体の排泄物に含まれる肥料分は飼料によるとのこと。主に、カリは植物の液胞内に多く存在しているため、牧草や、植物性の飼料を食べる家畜の糞には含まれているが、フィッシュミール等のタンパク質がほとんどであるアクアフードを食べている魚の糞では、カリは期待できないとのことでした。イオウも細胞中にはほとんど無いそうです。

◆Nについて
アクアフードの成分表示をみると、ほとんどの製品がタンパク質40%以上であることが分かります。タンパク質は、アミノ酸が連なった高分子窒素化合物です。アミノ酸は、アミノ基(-NH2)とカルボキシル基(-COOH)を持つ炭化水素化合物です。
よって、タンパク質が主成分であるアクアフードには、Nは豊富に含まれると考えられます。そして、魚が消化吸収できなかった分が、糞として水槽内に蓄積されます。
アクア界でよく議論されているように、植物は硝酸態窒素しか吸収することができません。魚の糞(有機物)を分解し、アンモニア態窒素となります。それを硝化し、亜硝酸態窒素を経て硝酸態窒素となります。つまり、水槽内では、Nは常に供給されます。

◆Pについて
リン酸は、主に核酸に存在しています。DNAやアデノシン三リン酸(ATP)などです。これは、すべての生物に共通するものです。フィッシュミールは、要は魚のつみれで、DNAやATPなども一緒にごりごりしていると考えられます。よって、リン酸も、エサの過剰分が、水槽内に蓄積されます。



◆植物体の構成要素
水槽内では、必須元素の何が不足して、何が足りているのかを探ります。
そのためには、まず、植物体が、「どの元素がどれくらいで構成されているか」を知ることが必要です。
植物のおおよその原形質の構成(重量比)は、

水:70%
タンパク質:16.5%
脂質:6%
炭水化物3.5%
核酸1.3%
無機塩類0.6%
その他

です。
また、元素(多量元素)ごとの構成(重量比)は

C:45%
O:45%
H:6%
N:1.5%
K:1.0%
Ca:0.5%
Mg:0.2%
P:0.2%
S:0.1%

です。
CとOとHは、CO添加の水槽では、豊富にありますので触れません。ここで注目してほしいのは、肥料の三要素であるN、P、Kです。この3つは、陸上では保証成分表示をしなければならないほど重要視されていますが、構成比上では構成量が他に比べて飛び抜けていません。これは、土壌中では、NとPとKは欠乏しやすく、可吸態(吸収される状態)のものが少ないということを示しています(植物は、Nを取り込もうとするとき硝酸態窒素のみしか吸収することができません。よって、土壌中に、亜硝酸態窒素を脱窒する硝酸菌がいなければいくらアンモニア態窒素があろうとも、植物はNを吸収することができません。)。しかし、上にも書きました通り、NもPも常に供給されています。つまり、水槽中では、陸上での土壌栽培の理論は通用しないということです。NとPとKだけを重要視するのはナンセンスなんです。それではNとP以外の元素についても見ていきましょう。


と、、、その前に、エサ以外に、必ず水槽に入れなければならないものがありますがそれはなんでしょうか?そう、それは水です。換水をしない人でも、蒸発分を足さないと干からびてしまいますよね。
実は、水道水にも、元素が入っているのです。
静岡市の水道を例にとって見ましょう。
これです。お住まいの自治体のHPなどで「○○市 水道 水質」などのワードで検索すればでてくると思います。

静岡市の上水道に含まれる多量元素は、「硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素」のN、「カルシウム・マグネシウム等」のCa、Mgです。

微量元素は、「亜鉛及びその化合物」のZn、「鉄及びその化合物」のFe、「銅及びその化合物」のCu、「マンガン及びその化合物」のMn、「ホウ素及びその化合物」のB、「残留塩素」のClと、モリブデンは表記がありませんでしたが、それ以外はすべて含まれています。微量元素については、また今度書きますw

換水をするときに、必ず入れるものがありますよね?はい、ハイポです。カルキ(次亜塩素酸ナトリウム)を中和します。実は、これも大切な肥料になるのです。
ハイポは、チオ硫酸ナトリウムです。
Na2S2O3 + 4Cl2 + 5H2O →2NaCl + 2H2SO4 + 6HCl
この反応により、硫酸が出来ます。この硫酸イオンが、必須元素のSとなります。それに微量元素のClも含まれますね。


さて、これでK以外の元素の出所は分かりました。
換水に追肥の効果があったとは驚きです。



次回は、それぞれの元素の元素の供給量と消費量の関係を考察します。
そして、本当に添加すべき元素は何なのかを導きます。

次回をお楽しみに♪



〓レイ  #RZ4X6psw 2009/06/30 02:53  URL  編集 
おおぉ、すごい、図書館の学術資料みたいw
ちょっと、情報量がおおくて難しいので、後日改めて拝見してみます。

有用な情報があれば、参考にさせてもらいますね(*´ω`*)
〓atabish  #- 2009/06/30 15:20  URL  編集 
ありがとうございます~。
つまらない文章ですが、お役にたてれば嬉しいです(^▽^)

〓フォームEW  #- 2009/07/02 18:23  URL  編集 
記憶違いだったらすみません。

>(植物は、Nを取り込もうとするとき硝酸態窒素のみしか吸収することができません。
アンモニア態でも吸収できたような。
アンモニア態の方が吸収しやすかったような。

>リン酸は、主に核酸に存在しています。DNAやアデノシン三リン酸(ATP)などです。
ATPは核酸ではないかと。
おそらくRNAが一番のリン酸源だと思います。
なんといっても、水分子などを除いた場合に細胞に一番存在する分子ですしね。

>陸上では保証成分表示をしなければならないほど
陸上に限った事ではないかと。
"肥料"として販売する場合はNPKをどれだけ含んでいないと駄目とかあったはずです。
よく出回っている活力アンプルも薄すぎて肥料としては売れないんで、"活力剤"なんて形で売っています。
〓atabish  #XQ3Y5dcw 2009/07/02 22:16  URL  編集 
>フォームEWさん
こんにちは。コメントありがとうございます(*^-^)

>窒素の吸収について
ご指摘ありがとうございます。激しく勘違いしていました。修正します<(_ _)>

>ATPについて
ATPは、核酸の種類であるかような記述を参考にしてしまいました。(http://wiki.symplus.co.jp/doku.php/bio/atp?do=show)いろいろと調べてみましたが、生物の素養が無いため、核酸の定義が理解できませんでした(泣

>保証成分表示について
すみません。「土耕では重要視されている」ということを言いたかったんです。「陸上で使用する肥料のみに成分表示をしなければならない」ではありませんので。言葉足らずでした。



的確なアドバイスありがとうございます!!フォームEWさんのブログ、拝見しました。化学に関しての記事がすごいですね!もしかして本業は研究職ですか?
〓フォームEW  #- 2009/07/03 21:39  URL  編集 
そもそも水槽用の肥料(法に従った)って、アクアメーカーは出してるんですかね?
ボッタクル為に何処も出していないような気がします。
まあ、水槽に肥料入れること自体が比較的新しいんで、今は「畑に糞をまいたらよく実った」と言うようなレベルなのかもしれませんね。

生物(分子生物)系の院卒です。
化学の知識は高校辺りで止まってますw
正直言って得意じゃないですw
〓atabish  #XQ3Y5dcw 2009/07/04 01:03  URL  編集 
>そもそも水槽用の肥料(法に従った)って、アクアメーカーは出してるんですかね?
“肥料”とはっきり書いてあるものは見たことないですよね~。肥料として販売するには登録料やらなんやら結構お金かかるみたいですし、アクアメーカーにメリットがまったくなさそうです。というか、肥料として売らないからこそ、やりたい放題できるのかもしれませんねw
既存の肥料メーカーに、本物のアクア“肥料”を作ってほしいですね♪ハイポネックスなんかが研究してくれれば最強のアクア肥料ができそうですw

>生物(分子生物)系の院卒です。
やはり!論理的な裏づけができる方ってかっこいいですね~。憧れます。

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